恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
「早川君のことは好きよ。でも、それは仲間としての好きって気持ちなの。

心地いいこの関係が壊れてしまうのが嫌で、あやふやにしてきた。曖昧な私の態度がいけなかったの。

私の方こそ、ごめんなさい」


早川君に、頭を下げる。


「………」


二人で向かい合ったまま、一言も発さない。


「寒い中、待っていてくれて、ありがとう」


「…都の心に、俺が入る場所は……ないの?」


うつむいたまま、早川君が静かに尋ねる。


「…うん」


「ほんの少しくらい入れろよ」

口角を上げ、偉そうな…いつもの早川君だ。


「1ミリもないよ」

キッパリと言い切る。


そうか…とつぶやいた早川君は、

「じゃあな!」

と元気よく走って行った。






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