恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
「外…寒かったですね。今晩は、ブイヤベースですよ?」


「やった。ドアを開けた途端に、いい香りがしてた」


葵さんは、具たくさんのスープが大好物なんだと、一緒に生活するようになって知った。


葵さんと私は、まだまだお互いに知らない所からたくさんあるけど、これから時間をかけて、ゆっくりと知っていきたい。


自分にもう愛情はないかもしれない…そんな辛い気持ちで待ち続けたあの頃とは違う。


葵さんは、私を愛していて、こうして私の所へ帰ってきてくれる。


この幸せがずっと続けばいい。


三日ぶりの温もりに安堵しながら、深い眠りについた。
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