恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
「大丈夫だ。都がキスしたかったわけじゃないだろ?」

そう問いかけると、コクンとうなずく。


「ずっと、曖昧にしてた私がいけない。
ごめんなさい…葵さんが好きなのにっ」


そうか…だから、昨晩は連絡が取れなかったのか。

すごく悩んだんだな。


都の背中を撫でながら、


「俺も、都のことが好きだよ」


頬を伝う涙を拭い、瞼にキスを落とす。


「大丈夫だよ。都が誰にキスされようと、何も変わらない」


記憶が塗り変わればいい。

涙で濡れた唇に口づける。


「何も変わらないよ」







< 174 / 208 >

この作品をシェア

pagetop