恋したら裏切りですか?〜甘い香りに誘われてⅢ
そっと都の頬に触れるが、微動だにしない。

少し無理させたか…

はだけたパジャマの胸元に、紅い花が見える。

見えない相手への密かな主張。


「都は絶対に渡さない」


目覚まし時計をオフにする。


「おやすみ。都」


幸せそうに眠る都の頬に、キスを落とす。

起こさぬよう、そっと横に潜り込み、都の腰に手を回す。


都を軽く抱きしめながら眠る。

この幸せが、ずっと続けばいい。

そう願いながら、俺は深い眠りに落ちていった。





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