星々は呼吸する
そこまで深刻になるような話じゃない、と弁解しようとした私に、黒崎はぽつりと言い放つ。その少し不機嫌な声に、心がざわついた。
……どうしよう、怒らせたかも。再び口を閉ざしてしまった彼に、募る罪悪感。目を合わせられずに俯いた私の手を、突然包み込んだ温もりに、――肩がびくんと跳ね上がった。
「……そう思われないように、もう少し努力する」
「へ?」
私の手をすっぽりと収めてしまった黒崎の大きな手の平に、ぐっ、と力が入る。思わず顔を上げれば、彼のいつにも増して真剣な目が私を見つめていた。
(あれ、これってもしかして……?)
急に顔が熱くなってきて、私は慌てて空を見上げた。空いた方の手で、上気した頬をこっそり撫でる。肌に触れる冷たい感触が心地好い……と思えるほどの余裕はない。
どうしよう。この展開は予想外すぎる。
いっそのこと今すぐ告白しちゃうべきですか、お星さま。
――本気でそんなことを悩み始めたその瞬間。空を眺める私の遥か頭上を、一筋の煌めきが流れ落ちた。