奪うなら心を全部受け止めて
しかし、俺に対して、こんなに無防備でいていいのか?心配になって終うが。
バキューン。バキューン
「バーーン。能さん、どう?」
「は?」
…おい、おい。いくら、何でもこれはまずいだろ…。
「どうですか?私もバスローブ着てみました」
男物のバスローブを身に纏い現れた。
「おお、俺よりセクシーなんじゃない?」
実際、大きくて自然と開け気味になったバスローブ、纏めあげた髪のうなじ、ほんのりとほてった肌。色っぽいに決まってる。…なんと無防備な…。
「本当?私の勝ち?」
「ああ、佳織ちゃんの勝ちだな」
「やったぁ」
「ちゃんとパンツ穿いてるか?」
「え?もう!能さんは…。穿いてますぅ。穿いてるに決まってるじゃないですか」
案ずる事はないな。佳織ちゃんに取って俺らはまるで本当の兄妹のような関係らしい。俺にしても、いつまで経っても二十歳のままの佳織ちゃんで止まってる気がする。
「風邪ひかないようにしないとな。パジャマあるだろ?ちゃんと着替えてから観よう。パジャマパーティーだ」
「は〜い」
すっかり懐かれた感じだな…。
…何でもいい。元気で居られるなら、それでいいさ。
「明日、朝、早めに帰るんだよ?念の為だから」
「はい。…解ってます」
「ん。じゃ、DVD観よう。結構ハードだけど、平気か?」
「はい。…ごめんなさい。ちゃんと観てないから、平気かどうか解んないです」
だろうな…。
「目茶苦茶、ドロドロ、ドバっとなるけど?観られるか?」
「…うっ。駄目なら、目と耳を塞ぎます」
「ナハハッ。じゃあ最初から観ないのと同じだよ?…ま、いっか。これは俺の為のDVDだもんな?
佳織ちゃんはチーズケーキ食べて、珈琲飲んで、…怖くなったら…俺が居るし。目、瞑って寝ちゃえばいいさ」
「はい、そうします」