奪うなら心を全部受け止めて
・動揺の連続
「佳織、どうだ?変わった事はないか?大丈夫か?」
ないと言えばない。…あると言えばある、のかな、…日々のカムフラージュが。…でも。…。うう〜ん。
「どうした?誰かに何かされたか?言われたか?」
されたか、言われたか。…。う〜ん…。…違うよ、あれは。聞かれてる事とは違う。
「え?あ、ううん。大丈夫、何もないよ。あのね、ショウさんが色々してくれるから、千景さんとすっかり公認されてる。
だからと言って、千景さんを好きな人から何かされる事もないから、大丈夫。本当、ショウさんが日頃から言ってくれてるから。
俺の千景ちゅわんと、佳織ちゃんに手出すんじゃないぞって、言い回ってくれてる。それはそれで面白い言い方なんだけど。徐々に浸透する感じになって。…お陰かなと思う」
「…そうか、…正直、いいような、悪いような。
俺的にはやっぱり複雑だな」
え?。あっ…。
隣に座る私の肩を抱き寄せた。
「…佳織」
ん…。不意に口づけられた。
大学生になった優朔はどことなく何だか大人っぽくなった。見た目もだけど、雰囲気も。
二年になったとは言え、私は自分の幼さを感じていた。
ん、んん、ん…。あ、こんな…ん、苦しい、く、苦しい…どうしたら、…。
優朔の胸を叩いた。
目尻にシワが出来た。クスッて笑いながら解放された。はぁっ、はぁ。
「ゆ、優朔、…苦しい」
「ああ…、ん〜、苦しかったか?
息、止めなくていいんだよ?…鼻で息したらいいんだ。…こうして」
ん?んん?
唇、また塞がれた。何?食べられてる?…う、凄く、胸が苦しい。キュンとして、ドキドキして、バクバクする…。
「佳織…少し、唇開けてみて…」
「え?」
声を出した途端。両頬を包まれ、また唇が重なった。
「佳織…」
囁くと唇を割って口の中に、舌が…絡めながらグッと深く口づけられた。あ…。ん…。んん、んふ。これって凄い大人なキスだ…。身体が……熱くなってきた…。
何だかボーッとして、可笑しくなりそう。
身体がなんて言うか、中がジンジンする。