奪うなら心を全部受け止めて
告白は突然に
・ショウには衝撃Ⅰ
・千景17歳
「おい。お〜い、千?起きろ?そろそろ体育館行こうぜ。行かないのか?」
「あ゙?…あ゙〜、ふぁ〜ふ。もうそんな時間か?」
「お前…、早く来て寝てるって…マジ理解できんわ」
「うあ゙〜ゔ〜。…しくじったんだ。いつもならまだ寝てんのに、今日はよく解んないけど、目が覚めて…。ろくに時間の確認もしないで家出たんだ。
そしたらお袋さんが、傘持ってく?なんて言うから、こ〜んないい天気に、お袋、何言ってんだと思ったんだ。おかしいのはお袋さんの方だと思ってた。
そしたらさぁ、来てみたら、一時間も早かったって…。
俺、マジ、自分で自分が意味解らん。今日は入学式じゃん、もっとゆっくり出来たじゃんな…はぁ。マジ意味解らん」
「まあ早起きは三文の得って言うし。な?
いい事でもあるんじゃないか?」
「そうだな…。そんな事でもないとやってられないかも」
「あ、おい、急ぐぞ。前より体育館まで時間掛かるんだし」
「おっ、そうだった。行こう、ショウ」
タッタッタッ…。
二人して教室を駆け出した。
「しかし、何が校舎改築だよな〜」
カタンカタン…。
階段を下りる。
「おお。俺らが在学中に、そんなのに当たるなんてな」
「そうだよ、しかもさ〜、これはないよな」
「ああ、一年と三年が同じ旧校舎で…」
「そう、俺ら二年がプレハブに“仮暮らし"なんてな、プレハブだぞ」
「マジこの先、暑くて寒いっつうの。卒業する迄ズッとだったら恨むよな」
「アハハハッ」
「セ、セ〜フ。ハァ、ハァ、……着いた、間に合った、な、…ハァ」
「ハァ、ああ。体育館行くのなんか、ハァ、端から端の大移動だからな。…お前、息、…切れすぎ」
「はぁ?ハァ、お前もだろ」
パコ〜ン。パコ〜ン。
「アタッ」「イテッ」
「何がセーフだ。遅い!校内放送はとっくに終わってる。千景、翔吾。早く座れ。…ほんとに、お前らは、毎度毎度…」
「すいませ〜ん…」