それが伝え方なのです
「やよ……」
わたしの顔を見て眉を下げ、心配そうにする静くん。こうやって自分の不安とか感情とかでいっぱいいっぱいでいつも静くんにこういう顔させちゃう。
こんな顔、させたくないのに…いつも笑っていてほしいって思ってるのに……自分の子どもさが嫌という程身に染みる。それでも、
「しずか、くん…」
「ん?」
「、行っちゃ、やだぁ…っ」
安心させるように微笑む静くんを見つめて精一杯のお願いをする。目なんて泣いて赤いだろうし、今だって泣きそうなのを我慢して静くんの顔はぼやけてちゃんと見えない。
唇だって震えてて、まるで子どもが駄々こねているみたいだけど。わたしはお子様だから、これぐらいしか思いつかなくて、できないから。
涙をポロポロ流してひっく、としゃくりを上げて泣き出したわたしを静くんはそっと抱きしめてくれた。まるで大切な宝物を抱くみたいに。
「不安にさせてごめん」って「話してくれてありがとう」って頭を撫でてくれて溢れる涙を拭ってくれた。
少しして涙も引っ込んでちょっとすると冷静さも戻ってくる。戻ってきたら戻ってきたで自分がしでかしたことを反芻して頭をどこかにぶつけたくなった。
(わたし、かなり面倒くさくなかった…?!)