それが伝え方なのです



だってだってだって!会って抱きついて不安になっていろいろ言って泣き出して…静くんお風呂上がりだったから上半身何も着てないし!そしてそのままボロボロ何か言って泣いちゃったし!



「ご、ごめんね静くん!!」



慌てて離れようとするけど静くんは「ん?」と首を傾げて不思議そうにわたしを見つめる。いや、そんな不思議そうにしなくても。



「ごめんなさい…風邪引いちゃう、かも」



しょぼんとするわたしに何を謝っているのか納得したらしく「あぁ、大丈夫」とサラリと言ってくる。本当に大丈夫なのか不安だ。


確かにまだ本格的に寒いわけではないけど、それでも季節の変わり目だし気を抜くと風邪引いちゃう可能性だって0じゃないのに……その原因の発端はわたしになるんだけど。申し訳ない。


でも、やっぱり、とわたわたと慌てるわたしに静くんは考えるように口を閉ざして「じゃあ、」と再びわたしを抱き寄せた。


ちょうど静くんの胸にわたしの顔がくるぐらいで一体なんだとかすかに顔を上げればちょっと楽しそうな表情をした静くんに首を傾げる。



「さっき俺の腰にしたこと、して?」


「………へ?」



予想もしていなかったことにパチクリと瞬きを繰り返す。え、腰?腰にしたことって…??ハッと思い出して一瞬にしてわたしの顔は真っ赤になった。


あ、あ。あれかあぁぁ?!?!





< 102 / 127 >

この作品をシェア

pagetop