それが伝え方なのです
◇頬
ドキドキとうるさい心臓に落ち着けえぇぇ!と念を送りつつ手の中にある受験票を握りしめた。
今日は大学の合格発表日でわたしはいても立ってもいられずに大学のところにいるという…ちなみにゆーみんもさーやんも推薦で決まっちゃってたからあとはわたしだけだ。
センター試験もさることながら二次試験も大きい失敗はしなかった…はず、とは言え不安と緊張で胃が痛い。
ちらほらと集まっているわたしと同じような制服を着た子たちは喜んでいる人もいれば残念そうにしている人も泣いている人もいてますます不安が煽られる。
高校受験のときにも味わったこの嫌な緊張感は多分いつまで経っても慣れないんだろうなぁって思う。会社の面接とかでも経験するんだと考えればそれだけで憂鬱だ。
でも今はそんな未来のことよりも現実で直面しているこの体に悪そうな緊張感をどうにかせねば…
「やよ?」
「ふぁっ?!あっ、し、静くん…」
びっくりした後一瞬飛び出た心臓を押さえて力なく笑うとキョトンとした静くんが小首を傾げた。
うっ、そりゃあんな変な声出せば驚く、よね…?も、申し訳ない。でも完全に意識がどこかに行ってたからこっちも名前を呼ばれてびっくりしたんだよ。