それが伝え方なのです
起きたやよの隣に座って頭を撫でてあげると嬉しそうに笑うやよにこちらも笑顔になる。
やっぱりやよに名前を呼ばれるのは嬉しい。静という名前は女に間違われることが多くてあまり好きじゃなかった。
今も他の人に呼ばれるのはあまり好きではないけど、やよが呼んでくれるのは素直に嬉しいと思える。
「やよ、時間平気?」
「え?あぁ!!もう帰らないと……」
しゅんとして頭を抱え「なんで寝ちゃったんだわたしぃー!」とうなだれるやよにそっと腕を巻きつけた。
「えっ?あ、わっ、静くんっ?」
あわわと慌てながら俺を支えきれなかったやよはソファーに倒れる。ちょうど俺がやよのお腹に顔を埋める形になっている。
離れる気のない俺におろおろしながらもやよはそろそろと俺の髪に手を差し入れた。
「きょ、今日の静くんは甘えたがりですか……?」
「ん、かも」
「そ、そちゃですか……」