それが伝え方なのです



小さくて細い指が俺の頭をよしよしと子供をなだめるように優しく撫でる。


俺の方が年上なのに甘やかされているのはちょっと情けないような気がするけど、やよが嬉しそうにするからつい甘えてしまう。


その代わり、俺もやよを甘やかせてあげられる場所になってたくさん甘やかせてあげたい。



「今日、遅くなってごめん」


「わ、わたしこそ寝ちゃってごめんね」


「ん、寝顔かわいかった」


「え!!(見られてたの?!)」



ポッと顔を赤らめてそれを隠すように手で覆うやよが愛しい。


俺は多分、人より言葉が不器用だから。呆れられるようなこともあるかもしれないけど。


ちゅ、と外れていた最後のボタンの隙間からキスをするとガバッと手をはがして俺を凝視するやよ。


首を傾げて見上げるとぶわぁ、とやよの顔に赤が広がってパクパクと口を動かす様子に思わず小さく吹き出した。



「やよ、かわい」


「~~っ!!(静くんは色っぽすぎて直視できません!!!)」


「(ボタン直しておこう)」





腹へのキスは『回帰』の意味、背中へのキスは『確認』の意味


例え他のところへ行っても最後は必ず帰ってきてくれると信じていますが、たまに不安になるので確かめさせてください






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