それが伝え方なのです
問いかけるように静くんをみるもののいつものように困ったように笑うだけで結局教えてはくれなかった。
むぅ、気になる……でも今はそれより海だよね!
「行こ、静くん!」
きゅ、と右手で静くんの手を取る。早く早くと引っ張るように海の方に向かうわたしを静くんは眩しそうに見ていた。
砂浜に持って来たシートを引いてみんなの荷物をまとめて置く。パラソルとかはどうやらゆーみんとさーやんが持って来たらしい。曰く紫外線対策だとか。
そんなことしなくても2人とも充分肌白いのに。わたしはもともと焼けにくいから日焼け止めだけ塗るとして、ちょっと焼いてみたい願望もないわけではないんだよね。
「じゃあ荷物は僕たちが見てるから女の子たちは先に着替えてきちゃっていいよ」
「ありがとうございまーす!」
「お言葉に甘えてお願いします。弥生も行くわよ」
「うんっ」
鞄から水着の入った小さなビニールバッグを持ってさーやんの後に続く。
「やっちゃんはやくー!」
「待ってーっ」
あぅ、砂浜に足を取られて動きにく、っていうか熱い!
あたふたしながらも急いで2人のもとにたどり着き更衣室へと向かった。