それが伝え方なのです



ドキドキして、心臓がきゅーっとして…恥ずかしいのに嫌じゃないし、いや人の目は気になったけど最後は静くんしか見えなくて。ジリジリと照りつける太陽と相まってクラクラする。


どこかぼんやりとした頭で静くんを見つめるとぎゅーっと抱きしめられた。



「っはぁ…やよ、今日はかわいすぎ」


「し、しずかくんも、かっこいい…(それでもって色気ダダ漏れすぎるっ)




うーっとなりながら体を静くんの方に預ける。顔が熱いからなのか海で冷えたせいなのかはわからないけど、頬で触れた静くんの肩はひんやりしていて気持ちよかった。



「やばいな…」



ぽつり、耳元で聞こえた声に顔を上げようとするけどぎゅっと抱きしめられてその距離すら埋められる。



「煽ったのは俺だけど、あんま誘惑しないで」


「え、誘惑?」


「(無自覚…)」



はぁ、とこぼれる熱い吐息が耳を掠めてくすぐったい。


身じろぎすると抱きしめられていた力が緩んでお尻の下にあった腕もなくなる。代わりに支えるように腰あたりに手を回されてぴっとりと上半身がくっついた。



「そろそろ戻ろ」


「あ、うん(静くんと2人だとドキドキして大変だったからよかった…)」


「(安心したような顔をされるのも何か気に入らない)」





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