それが伝え方なのです
「見てたよ充岐くん。優しいね」
パラソルの下で足を崩して座っている沢木がニッコリとこちらを見ていた。
優しい、か…やよにもよく言われるけど自分が優しいのかいまいちよくわからない。特にやよに関しては。優しくしたいし甘やかしたいとも思うけど、俺のことであたふたしたり困ったりするやよも好きだから。
軽く体を拭いて日を避けるようにして沢木の隣に並んで座る。
「海の中にいるときも遠目から見てたけど僕なら耐えられないなぁ。あれだけ無防備でホイホイ他のについてって、かつ誘うような恰好だしね、完全に襲ってるよ」
爽やかな見た目に反して沢木の言うことは少しストレートというか、結構Sっぽい発言が多い。まぁ気持ちはわかるけど…
「やよのこと、大事にしたいから」
友達と3人で何かしら話して楽しそうにじゃれている様子を見つめる。
大切にしたい、大事にしたい。自分の欲もあるけど、それよりも気持ちが一番だから。
「ふふ、やっぱり優しいよ。充岐くんは」
「でも痕つけちゃったし」
ちょっと嫉妬したのと独占欲と八つ当たりから…やよは気づいてなかったみたいだけど。
「あぁ、手首に?僕なら見えるところにつけるけどね」