それが伝え方なのです



誰もいないことを確認してさーやんが教室の扉を閉める。いまだ涙をこぼすわたしにゆーみんが「よしよし、どしたのやっちゃん」と頭を撫でてくれた。その優しさは今のわたしにはかなりの薬だよ。すでにぼろぼろこぼしてるけど涙腺決壊しそう。


ぐす、と目元をこすり涙を拭う。さーやんに勧められて椅子に座るとお昼ごはんにも手を付けずに2人は何があったのかと真剣な目で聞いてくれた。


すっごく心配かけちゃったんだなって申し訳なく思うと同時に嬉しさがこみ上げる。いや、やっぱりこんな忙しい中煩わせて申し訳なさが勝るけども。


でもはっきり言って現在頭の中をいっぱいに占めている事柄はわたし1人の手には負えないものだったから、2人が気にしてくれてとてもありがたかった。



「ぐすっ…あの、話…聞いてくれる?」



当然でしょ!!と頷いてくれる2人にわたしは昨日あったことを離すために口を開いた。




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