それが伝え方なのです



ぽろぽろとまた凝りもせずに泣き出すわたしをゆーみんはぎゅーっと抱きしめてくれた。そのあたたかさにすり寄ると甘いゆーみんの香りがする。



「やっちゃん、大丈夫だよ。そういうこと考えちゃうのって仕方ないことなんだから」


「でも、やっぱり…」


「それだけ彼氏さんのこと好きってことでしょ?やっちゃんは付き合う前より今のほうがずぅーっと彼氏さんのことが大好きでたまらないから、前よりも苦しくて悲しくて痛いんだよ」



よしよしと頭を撫でてくれるゆーみん。静くんもこうしてよく褒めるように頭を撫でてくれて元気づけようとしてくれるなぁと思い出すとじわりと視界が揺れた。



「あたしは弓よりも経験ないし偉そうなことは言えないけど、」



いつも自信にあふれているさーやんが戸惑うようにしながらもわたしの目を真っすぐ見て手を握ってくれる。



「例え弥生の彼氏さんが他のナイスバディなお姉さんに抱き着かれたりしても、彼氏さんは弥生を選んで弥生を彼女にしてくれたのよ?海の時に初めて会った人だけど、弥生のこと本当に大事にしてるのは伝わってきたから…つまり、弥生は彼女なんだからもっとふんぞり返っててもいいと思うわ」



優しく笑って力強くそう言ってくれるさーやんにドキッとした。


わたしが静くんをその女の人に取られちゃうかもしれないって不安、さーやん見抜いてる。もしかしてゆーみんも気づいていたのかな。



「そうだよやっちゃん。やっちゃんが彼女なんだからもっと自信持って!それでも不安ならちゃーんと話し合うんだよ?」


「うん…ありがと。さーやんもゆーみんも。ちょっと心が軽くなったみたい」



ありがとうともう一度お礼を言って2人を見る。いつの間にか涙は止まっていてどういたしましてとほほ笑んだ2人の顔がよく見えた。




< 91 / 127 >

この作品をシェア

pagetop