親友 コトバは罪より重い
序章
告白
中学三年の冬、この日は粉雪が降っている中、終業式があった。
校長先生のマイクで話す無駄に長い話に疲れていたクラスメート。
終業式終了後、帰りのHRで担任の雪村先生に名前を呼ばれた私は席を立ち、先生に導かれるように歩き普段先生が立つ教壇に立った。
クラスメートは今から何が始まるのかと首を傾げていたり、隣の席の子とひそひそ話していたりしていた。
私は先生に目配せをして頷き一度深呼吸をした後、話を始めた。
急に私が教壇に立ってみんな”吃驚”しているかもしれませんが、実は私、転校する事になりした。
「原因は、あれ?」
そう、佐藤さんの言った通りです。私は今年の秋に親友の沙耶を亡くしました。みんなにとっても大切なクラスメートの沙耶。
でも私にとって沙耶は幼い頃からの親友で嬉しい事や悲しい事を一緒に分かち合える仲でした。
そんな沙耶が亡くなり、私は一時期悲しさでいっぱいで学校を休む事が多くなり、クラスのみんなには迷惑をかけました。ごめんなさい。
でも悲しさを紛らわす事は何をどうしても叶わないず、紛らわす事なんてできませんでした。
だから私は沙耶と楽しく過ごし沙耶が卒業できなかった、この中学を卒業し、そして沙耶と通いたがっていた高校を受験しようと心から決めました。
「なら、何で転校すんだよ」
そうですね。山本くんが疑問に思うのも仕方ありません。沙耶の親友として、転校する事は間違っている事なのかもしれません。
でも沙耶が亡くなったのが、ただの事故なら私は転校なんて考えなかったと思います。
「雪村先生、私の話を止めないで下さい。話せるのは今日が最後ですから」