親友 コトバは罪より重い

ターゲット加藤



受験生になると精神的に追い詰められストレスがたまり発散したくなる。

ピリピリとした状態から逃げ出したい。

だから、その発散の矛先をみんな加藤さんに向けた。

男子だけじゃなくて女子も参加していた。

疑われたくない気持ちとストレスの発散。


天城さんは興味無いかのように文庫本を読んでいるし私は何もできず、ただ見ているだけ。誰も加藤さんを庇わない。

傍観者である私も最低な人間だ。


加藤さんを存在しないかのように、わざと避けたりノートや教科書を破きゴミ箱に捨てたり、体操服や上靴が隠したりして

みんな馬鹿じゃないかと思った。

でも傍観者の私も馬鹿の一人。みんなと変わらない。


放課後、偶然、加藤さんを下駄箱で見つけた時私は言葉を失いました。加藤さんの下駄箱には『死ね』『人殺し』と書かれた紙が沢山埋め尽くされていた。


「私じゃない」


加藤さんは目に涙を浮かべ呪文のように呟いていた。

天城さんも容疑者の候補のような存在にされているけれど天城さんは人と関わる事は普段からなくて、どんな時でも受験勉強に集中している人。

だからなのか標的にはされていない。

制裁なんて一人で十分とみんな思っているのかもしれない。

面倒くさいって理由もあるかもしれないけれど、犯人の確立が高いのが加藤さんだから

みんな加藤さんに制裁を与えているのだ。

否定をしている加藤さんの訴えを無視して…。


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