親友 コトバは罪より重い


マンションに着き、先生から教えてもらった215号室へと足を進めた。

加藤さんは私と会ってくれるだろうか?何もしてないからこそ憎まれる事もある。


インターホンを押すと加藤さんのお母さんが出てくれた。

宿題を渡すと「ありがとう日比野さん」と言われた。

お礼なんて言われる立場じゃない。

私は自分の情けなさに腹が立ち制服のスカートを握りしめた。


加藤さん本人に会えないか聞いてみると、クラスメートが立て続けに亡くなってショックを受けているみたいだから今はそっとしておいてほしいと言われた。

嘘だ。

加藤さんはお母さんに嘘を話している。

いじめの事を聞いていないんだ。

私は雪村先生から連絡があったりしますか?とさりげなく聞いてみると

連絡は一応あるらしい。

でも受験についての話ばかりだそうだ。

そんな時期だから誰も疑問には思わないけれど、加藤さんの本当の欠席理由が予測できる私には違和感しかなかった。


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