親友 コトバは罪より重い
でも十五才の犯罪は罪として認められます。家庭裁判所で判決を受けて少年院に送られるかどうかはわかりませんが沙耶を殺した罪を背負ったまま、のうのうと楽しく学生生活を送っている犯人を私が許すと思いますか?
先生、止めないで下さいね。
犯人は吃驚しているでしょうね。完全犯罪成立と思っていたでしょうから。
少年法により名前や顔は公言できないため、私は学校を去る前にヒントを残したいと思います。そのヒントを頼りに犯人を捜すか捜さないかは、みんなが決めて下さい。受験もありますしね。
あと先生、いい加減にして下さい。私の話を止めようとしないで下さい。三回目ですよ。私は話さないと転校できないので。
これは忠告です。
それとも先生、沙耶の話をしたらマズイ事でもあるんですか?無いなら私の話を止めないで下さいね。
犯人は三人。ちなみに女子です。私は三人が沙耶を殺した話をしているところを偶然居合わせ携帯に会話を録音させていただきました。
放課後の図書室は訪れる人なんて稀、特に旧校舎の図書室は内証話をするには絶好の場所だったのでしょうね。私が録音していたとも知らずに。
しかし録音したのは沙耶が転落事故による死と警察が判断した後でした。だから警察に提出したところで音声だけじゃ証拠として物足りないかもしれませんし、罪を罪として悔いるかどうか。きっと悔いたりしないだろう。今も罪の意識すら感じていないかもしれないので、私はここで告白しました。
一人目…常に成績上位の優等生。趣味は読書。二人目…運動が大好きでバスケにストイック。三人目…色白で控えめな性格、家に居場所がない。これだけ言えば誰が犯人なのか予想がついたのではないでしょうか?