親友 コトバは罪より重い
男子は沙耶の死の真相を知りたい気持ちもあるくせに早く受験に集中したいと言い張る。
この緊迫とした空間を誰か破ってほしい
「とりあえず加藤は容疑者、はい決定!」
クラスの中のお調子者である神谷くんが加藤さんに対して指をさした。
「なんでよ!私はあの日部活でずっと体育館にいたわ。部員が証人よ」
「でも加藤以外いないだろ?バスケ部」
「そ、そんな…」
加藤さんは否定しているけど加藤さんを犯人と決めた神谷くんは加藤さんに人殺しと言って睨みつけた。
「違う!私じゃない!」
加藤さんを助けようとする女子はいなかった。
私もだけど疑われたくない、人殺し呼ばわりされたくない、そんな色んな気持ちが混じってくる。
加藤さんと普段から仲がいい水谷さんも加藤さんを庇わなかった。
友情なんて所詮そんなもの。
緊迫状態になると誰かに押し付けたりして
自分を守って
支配下に置く。
「あと、一人」
山本くんはそう呟いた。ひんやりとした空気が流れる
成績が良い女子が疑われる。
趣味な読書と梶谷さんは言っていたけれど読書が趣味な女子はこのクラスには沢山いた。
おしゃれな雑誌を持って服やメイクについて語る余裕のない受験生である私たち女子は雑誌よりも本や参考書を読んでいた。