完璧上司の秘密を知ってしまった件について
小さなメモ用紙に、何かを書いた須藤課長は、凛にすっとそれを差し出した。
「…あの?」
理解出来ずに問いかけると、須藤課長はいつものスマイルでこう言った。
「申し訳ないんだけど、これ、すぐ近くのスーツ店で、買ってきてくれないかな?」
「…ワイシャツですか…ぅ」
…差し出されたメモを見て、凛は思わず顔色を変えた。
「…もう少ししたら、大事な商談に行かなきゃ行けないんだ。…五分以内に頼める?」
口は笑っているが、目が笑っていない。…誰のせいだと思ってんだ?と、目が言っていた。
「…五、五分以内」
「…さっさと行ってこい」
(こ、怖すぎる!)
「ハイ‼︎」
誰にも聞こえない怖すぎる声に、凛は風の如くオフィスを出て行った。
…8分経過。
…10分経過。
「はぁ、はぁ…買ってき、ました」
「…チッ、五分遅刻」
「…」
(ここまでくると、ご主人様と、下僕のようだ)
凛は半泣き顔で、袋を渡すと、トボトボとデスクに戻り、仕事を始めた。
「…ご愁傷様」
隣の先輩がボソッとつぶやく。
「…オリンピックで金メダル取れそうです」
凛の言葉に、先輩は吹き出した。
…その後、睨まれたのは言うまでもない。
「…あの?」
理解出来ずに問いかけると、須藤課長はいつものスマイルでこう言った。
「申し訳ないんだけど、これ、すぐ近くのスーツ店で、買ってきてくれないかな?」
「…ワイシャツですか…ぅ」
…差し出されたメモを見て、凛は思わず顔色を変えた。
「…もう少ししたら、大事な商談に行かなきゃ行けないんだ。…五分以内に頼める?」
口は笑っているが、目が笑っていない。…誰のせいだと思ってんだ?と、目が言っていた。
「…五、五分以内」
「…さっさと行ってこい」
(こ、怖すぎる!)
「ハイ‼︎」
誰にも聞こえない怖すぎる声に、凛は風の如くオフィスを出て行った。
…8分経過。
…10分経過。
「はぁ、はぁ…買ってき、ました」
「…チッ、五分遅刻」
「…」
(ここまでくると、ご主人様と、下僕のようだ)
凛は半泣き顔で、袋を渡すと、トボトボとデスクに戻り、仕事を始めた。
「…ご愁傷様」
隣の先輩がボソッとつぶやく。
「…オリンピックで金メダル取れそうです」
凛の言葉に、先輩は吹き出した。
…その後、睨まれたのは言うまでもない。