完璧上司の秘密を知ってしまった件について
『愛想ばっかり振りまいてると、自分の首を締めるだけだぞ』

そうならないように、凛は更に仕事に集中した。

事務をこなす以上、完璧な状態で営業の人達に返したい。みんなが後で困らないように(たまには小さなミスをすることもあるが)

「…よし、ここまでしてたら後はなんとかなるな」

一人呟いて、デスクを離れ、昼休憩に行く。今日は、経理部の女子社員と一緒に昼食を取ったが、急な仕事が入り、窓際の席で1人、食後のコーヒーを飲んでいた。

「…今日は1人?」

そんな声が聞こえたかと思えば、凛の隣に、政宗が座った。

「え、いえ…経理部の子と食べてたんですけど、仕事で」

「お前煩いから、逃げられたんじゃないか?」

その声に驚き政宗と反対側の席を見れば。
「…須藤課長。…向こうの席が空いてますよ」

と、ゲンナリした顔で、凛は呟き、空いてる席を指差した。

「…嫌われてるな、圭吾」

そう言ってクスクス笑う政宗。須藤課長は、フンと鼻を鳴らし、定食を食べている。

「…もしかして、須藤課長の本性知ってる口ですか?」

と、凛が小声で問いかければ、政宗はまた可笑しそうに笑いながら、頷いた。

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