完璧上司の秘密を知ってしまった件について
(…悪夢だ。須藤課長って実は、物凄く毒を吐く、冷たい人だったの⁈)
凛は、そんな思いを巡らせながら、早足で家路につく。
電車に乗り、外を眺めるも、外の景色より、誰にも見せた事のない、あの恐ろしく怖い須藤課長の睨んだ顔が目にこびりついて離れない。
…それと同時に、淡い恋心も吹き飛んでいた。
(…私の恋心を返せ‼︎)
凛は、心の中で毒づいた…
…電車で最寄駅に降りると、歩いて10分程のところに、凛の実家はある。
今風の洋風モダンな家。凛はこの家が大好きだ。
「…ただいまー」
「…お、帰ったのか、妹」
「…」
凛を出迎えたのは、仕事が忙しくほとんど夜中に帰る、この時間帯に家にいることが珍しい、凛の兄、佐伯秋夜(32歳)
『妹』と、当たり前のことを言う秋夜に、凛はうんざり顏をする。
「お兄ちゃん、確かに私は妹だけど、凛!という綺麗な名前がありますが?」
「…確かに。容姿に似合わない、凛!という綺麗な名前があったな」
そう言って、秋夜はニヤリと笑った。
(…地味なイジメなんかするコイツが、IT企業の営業トップ成績の男なんて思えない。ただのバカ兄貴だ)
と、凛は思う。
「…お、これいただきー」
突然、秋夜が凛のキーホルダーを奪った。
「あー!それ、私のお気に入り!ぐてたまちゃん!」
凛は、そんな思いを巡らせながら、早足で家路につく。
電車に乗り、外を眺めるも、外の景色より、誰にも見せた事のない、あの恐ろしく怖い須藤課長の睨んだ顔が目にこびりついて離れない。
…それと同時に、淡い恋心も吹き飛んでいた。
(…私の恋心を返せ‼︎)
凛は、心の中で毒づいた…
…電車で最寄駅に降りると、歩いて10分程のところに、凛の実家はある。
今風の洋風モダンな家。凛はこの家が大好きだ。
「…ただいまー」
「…お、帰ったのか、妹」
「…」
凛を出迎えたのは、仕事が忙しくほとんど夜中に帰る、この時間帯に家にいることが珍しい、凛の兄、佐伯秋夜(32歳)
『妹』と、当たり前のことを言う秋夜に、凛はうんざり顏をする。
「お兄ちゃん、確かに私は妹だけど、凛!という綺麗な名前がありますが?」
「…確かに。容姿に似合わない、凛!という綺麗な名前があったな」
そう言って、秋夜はニヤリと笑った。
(…地味なイジメなんかするコイツが、IT企業の営業トップ成績の男なんて思えない。ただのバカ兄貴だ)
と、凛は思う。
「…お、これいただきー」
突然、秋夜が凛のキーホルダーを奪った。
「あー!それ、私のお気に入り!ぐてたまちゃん!」