完璧上司の秘密を知ってしまった件について
「…じゃ、映画行ってー」
「お、いいねー」

「ゲーセン行ってー」
「ストレス発散?私もしたい」

「食事をしに行ってー」
「うん」

「一緒に夜景見てー」
「…この時間から、そんなにできるの?」

なんでも聞くと言っていた凛だったが、たくさんの注文に、ゲンナリしてくる。

「無理に決まってんだろ」
「…」

「…ま、出来るとこまでやるぞ」
「…あ!新!」

そう言って爽やかな笑顔を見せた新は、凛の手を取ると、順番に、注文をクリアしていく。

…新とは、長い付き合いだ。一緒に居るのは楽しい。

なんだかんだ言いつつも、新との時間を楽しんでいた凛。

…でも、映画は3時間もあって、夜が来てしまい、食事をして、後は、夜景を見に行くのが精一杯。

「…新、楽しかった?少しはストレス発散できた?」

夜景を見ながら、凛は新に問う。

「…あー、うん、ストレス発散できたよ」
「…そう、良かった」

新の答えに満足そうに微笑んだ凛。

…だが、その笑顔は一瞬にして、消えた。

「…新?」

新は愛おしそうに凛を見つめたまま、凛の頬に触れた。

「…なぁ」
「…な、なに?」

「俺のこと好き?」
「…好きだよ、友達だし」

「…そうじゃなくて」
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