完璧上司の秘密を知ってしまった件について
4.完璧上司の恋敵は…
…それからの凛の行動は早かった。
電話の相手を新に聞かれたが、適当な嘘をつき、新の制止も聞かず、凛はその場から走り去った。
⚫︎×駅は、ここから以外に近かったが、行く気もなく、凛は帰るつもりでその駅に来ていた。
(…見つかりませんように)
と、心の中で願いながら、凛は駅の構内に入ろうとした。
「…ヒッ!」
「…5分遅刻」
「…ど、どうも」
「…俺に会う事なく帰るつもりだったのか?」
「ま、まさか、そんな」
肩を掴まれ、逃げられなくなった凛は苦笑いを浮かべた。
「…ところで、私なんかに、なんの御用でしょうか?」
「用が無ければ、呼び出したらダメなのか?」
「…いえ、そういう訳ではないんですが」
(今日は何かの厄日だろうか?男運が大凶とか?)
そう思うと、溜息しか出なかった。
「…飯は?」
「…食べました」
「…じゃ、遼のとこ行こう」
「…え、ぁ…」
(なぜ手を握る?)
「…須藤課長、なぜ手を握るんですか?」
凛の質問に、くるりと振り返った須藤課長は真顔で言った。
「…逃げないように」
その答えに、思わず納得してしまった凛であった。
電話の相手を新に聞かれたが、適当な嘘をつき、新の制止も聞かず、凛はその場から走り去った。
⚫︎×駅は、ここから以外に近かったが、行く気もなく、凛は帰るつもりでその駅に来ていた。
(…見つかりませんように)
と、心の中で願いながら、凛は駅の構内に入ろうとした。
「…ヒッ!」
「…5分遅刻」
「…ど、どうも」
「…俺に会う事なく帰るつもりだったのか?」
「ま、まさか、そんな」
肩を掴まれ、逃げられなくなった凛は苦笑いを浮かべた。
「…ところで、私なんかに、なんの御用でしょうか?」
「用が無ければ、呼び出したらダメなのか?」
「…いえ、そういう訳ではないんですが」
(今日は何かの厄日だろうか?男運が大凶とか?)
そう思うと、溜息しか出なかった。
「…飯は?」
「…食べました」
「…じゃ、遼のとこ行こう」
「…え、ぁ…」
(なぜ手を握る?)
「…須藤課長、なぜ手を握るんですか?」
凛の質問に、くるりと振り返った須藤課長は真顔で言った。
「…逃げないように」
その答えに、思わず納得してしまった凛であった。