完璧上司の秘密を知ってしまった件について
「…人の気持ちを差し置いて、2人で勝手に盛り上がらないでくださいよ!」

凛の言葉に驚き、須藤課長と新は、凛を見た。

「…凛」「…佐伯」

「…もう、知りません‼︎」

そのまま凛は踵を返し、駅の中に姿を消した。

…電車の中、凛は一人、溜息をつく。

「…モテ期到来?…あー‼︎そんなもんいらない!」

と、思わず電車の中だということも忘れて叫んでしまい、電車内の客に睨まれ、苦笑した凛は、俯いた。

(…やっぱり今日は、厄日だ)

と、心の中でボヤいた。

…やっと家に帰ると、まず凛がした事は。

「ただいま…お兄ちゃんは?」

…秋夜の所在。

「…まだよ、今日は、デートだし、帰ってこないんじゃない?」

と、呑気な顔で母が言った。

「…そっか、良かった」
「…え?」

「なんでもないよ。お風呂入ったら寝るね」

お風呂に入ってイライラも一緒に洗い流した凛は、少し楽になり、ベッドにダイブ…ん?

携帯の着信。…LINEのようだ。

《凛…さっきはゴメン》

…新からだった。

《…許してあげないから》

と、意地悪なLINEを返す。

《…凛の気持ちを考えなくて、ゴメン。でも、凛の事、好きだから…それだけはわかって》

(…)

わかったけど、わかりたくない…

今までの関係が崩れるのは、怖い…
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