完璧上司の秘密を知ってしまった件について
「…じゃあな」
「…え⁈お兄ちゃん!」

最寄駅で降りた2人は改札を抜け別方向に行くのだけど、少し離れたところに、新が先に会社に行く後ろ姿が見えた。

…流石に、顔が合わせ辛かったのか。

逆方向の秋夜はさっさと会社に行く。凛は、このまま距離を置いとくかどうか悩みながら、会社に向かって歩いていく。

「あーもう!私らしくない!」

そう言った凛は、早足で新の元に。

「おはよ!新!」
「あー、おはよ」

(マジで泣いたの?目がウサギみたいなんですけど)

「…新ウサギみたい」
「…煩いよ」

「…私のせいだよね?」
「別に…凛のせいじゃないよ」

「そんなに私の事好きだったの?」
「…ストレートに聞きすぎ」

「いつから?」
「…初めて会った時から」

その答えには、相当驚いた凛は、目を見開いた。そんなに片想いしてたなんて、私はどれだけ鈍感なんだろうと、凛は自分を恥じた。


「…ちゃんと考えるから、新の事。でも、私みたいなのでいいの?喜怒哀楽激しいし、家事炊事苦手だし、子供っぽいし」

「…何年一緒にいると思ってんだよ。全部知ってる。…全部ひっくるめて凛が好きなの」

…ストレートな告白を新の口から聞いた凛は、顔を真っ赤にした。

「…そんな素直な反応も好き」

そう言って笑う新に、更に顔を赤らめた凛は、新の肩を叩いた。

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