完璧上司の秘密を知ってしまった件について
とりあえず、いつものように仲良く？会社に出勤した2人は、手を振りあい、お互いのオフィスに入って行った。

…新の目がウサギみたいになったのは、『恋人の凛』と痴話喧嘩したと、変な噂が立ったことなど、凛は知らない。

「おはよーごさいます」

いつもように、仕事を始めた凛はテキパキと仕事を片付けていく。

「…佐伯さん」
「…はい、なんでしょう…」

書類から視線を上げると、そこには、須藤課長の姿が。

「先週一緒に行った取引先なんだけど、事務処理をし忘れた事が幾つかあるらしくて、もう一度一緒に行って欲しんだけど」

「…今からですか？」

今作業中の仕事が急ぎで仕上げなければならなかった。凛は困惑顔で須藤課長を見た。

「今すぐ」
「…今作業中の書類を仕上げなければいけないんですが」

「…それな。…あ、鈴木君、これちょっと頼める？」

（…え⁈そんな無茶ブリ）

須藤課長の提案に目を見開いた凛。


鈴木は、凛と同じ、事務処理担当なのだが、先輩であるが故、凛よりはるかに仕事量が多い。

「…え…あー、それ位なら大丈夫です。佐伯さん、俺のパソコンに飛ばして、チャチャッと終わらせるから」

「え⁈いいんですか？」
「うん、今日は、午後仕上げの書類ばっかりだから」

「…すみません、お願いいたします」
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