StarDust(仮)
「おい、てめぇら……本名じゃねぇだろ、それ。」
「あ、バレてた?僕達、知らない人に教えるほど優しくないし。」
屋上だからか、風が頬を撫でる。
……寒っ…
ポカポカ陽気だったのは今までの話で、もう空一面は厚い雲に覆われてた。
「……戻るぞ。」
「戻るってどこに?」
そう馬鹿な返事をしたのは言わずもがな苓である。
「教室だよ、教室。一雨来そうだからな。」
ああ、これだから梅雨は嫌なんだ。
ジメッとしてて息苦しく感じる。
……本当はそんなことないけど。
雨は好きだけど、梅雨が嫌い。
その差がわかる人は存在してると俺は信じてる。
俺達は校内に入るが白薔薇ご一行はいっこうに動こうとしない。
「おい、鍵閉めるんだから、早く入れ。」
開けたことばれたら後々面倒だしなぁ…
俺がそう声をかけると、白薔薇は舌打ちをしつつもこっち側に来た。
と言っても、舌打ちしたのは信一だけだが。
扉を閉め、ツールで鍵をしめる。
「わぁお、本当にピッキングするんだ。」
「ユキ、じろじろ見るな。」
「えー、でも早々お目にかかれるものじゃないよ?ムネ。」
「……それでもだ。」
別に見ても構わないんだけど…
まぁ、緊張はするから見ないでくれたほうがスムーズに出来る。