StarDust(仮)


「あー、そういや櫻井さん。高校どこ?」

さん付けと名字呼びってのには慣れてないけど、まぁ…流石に初対面の人には、な。


「えっと…夕立高校です。」


夕立高校って言うのは俺達が通ってる高校の名前だ。

…と言うか、不良校に通ってるのかよ。

毎日襲われてそうだけど大丈夫か?


「同じ高校なんだな。」

「そうなんですか?シンさんみたいなイケメンさんなら一目見ただけで覚えてるはずなんだけどな…」

「変装してるからな。」

そう俺が言うと櫻井は目をこれでもかと言うほど大きくしながら驚いてこっちを見ている。

苦笑いをしながら、ウィッグを外すと、黒髪がサラリと目にかかる。


「ウィッグだったんですか?」

「ああ、カラコン外して眼鏡かければ、な。」

「目、悪いんですか?」

「いや、良い方だ。ただの変装。」


用心深いなとか思われてるんだろうな。

ただ、シンの時は顔隠してるわけでもないから少しでも隠しておかなきゃ襲撃されたら困るしな。


「イケメンさんですもんねー。」

「……用心深すぎるとか思わないのか?」

「私の兄も似たようなものですから。」

「兄?」

「はい!フード被ったり、ウィッグ付けたり。」


へぇ…不良みたいだな…悪い奴じゃなければいいんだが。



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