StarDust(仮)
倉庫の中は想像よりも倍近く綺麗な所だった。
失礼ではあるけどもうちょっと汚いかと思ってた。
「櫻井さん。」
俺がそう呼ぶと二人して同時に振り向く。
さん付けなんだから分かって欲しいところだが…
「…茜、早く着替えて来い。」
その格好じゃあ、流石にな。
目のやり場に困ると言うか、したっぱ達の視線がな…
「あ…、はっはい!借りっぱなしじゃあれですし服持って来ますね!」
「…そういう事じゃないんだが……はぁ…頼んだ。サイズはそれの前後。あとタオルもくれると嬉しい。」
「わかりました!」
櫻井…いや、茜はニッコリと笑顔で頷き2階の個室へと入っていった。
それを目で見送っていると信一がこっちを睨みつけながら聞いてくる。
「襲われそうになったって…どういうことだ。」
「そのままの意味だ。理解も出来ないのか?」
「そうじゃねぇ!なんでそんな経緯になったかを聞いてんだ。」
俺は近くにある三人がけのソファーの真ん中に座ってからその問いに答えた。
「そんなこと俺に聞かれても困るんだが。……まぁ未遂だ、安心しろ。」
「……そうか。良かった…」
信一は本当に心配していたのだろう。ため息を零してから一人がけのソファーに腰を下ろした。
「そういや…なんでここに来やがった?襲う気は無えって言ったのは元々来る用事が会ったってことだろ。」
「挨拶だよ、挨拶。同じ学校にチームと暴走族が揃ってるんだ。顔ぐらいは会わせておこうと思って、な。」
それにしても…結構知ってる面子も居るんだな。
クラスメートも一人か二人紛れてる気がする。
「そうかよ。」
話の話題が切れてしまったせいでざわついている中、俺達の周りだけ別世界に囚われているかのように静かになる。
心なしかピリピリとした空気になっていて今すぐにでもここから立ち去りたくなる。
こういう空気は苦手だ。……それはいつも苓たちが俺の周りで騒がしくしてるからかも知れない。