StarDust(仮)
それから何分が経過しただろうか、スマホを弄っていたが時計は見ていなかったが、二階にある扉が錆びついた音を立てながら開いた。
そちらに目を向けると茜と今朝会った幹部たち。
そして、もう一人男が居た。
族関係には興味がない俺でも知っている。
いや、知りたくもないのに知っていなければ可笑しい人間がいた。
俺によく似た顔立ちで、光に当たると青く見える黒髪……染めたんだろう……で、血の繋がりのある遠い親戚。
と言っても、そこまで遠くはない。従兄弟にあたる人物だ。
桐生光−キリュウ ヒカル−父の兄の息子。
確か、雪谷高校−ユキガヤ−に通う高校三年生だ。
雪谷は悠里たちが元通っていた高校だ。
桐生光という人物は俺が今現在この世界で最も嫌っている人物の一人だ。
考えてる事は分からないし、いつもポーカーフェイス。
なのに何にでも首を突っ込むし、訳が分からない。
……だが、俺が一番嫌いなのは光という人格そのもの。
性格に難があるというか…明確な理由はよく分からないが関わると碌な事がない。
そんな気がするのだ。
「シンさん!持ってきましたよ。」
茜は水色のワンピースを着ていて、手にはタオルと俺のパーカーが入っているであろうビニール袋を持っていた。
「ん、サンキュ。」
タオルとビニール袋を受け取り、ビニール袋を床に置く。
タオルで頭を拭きたいところだが…ウィッグなんだよなぁ…
バレても構わないけど光にバレないんだったらバレないほうがいい。