StarDust(仮)




ふわ…とあくびをすれば隣から控えめな笑い声が聞こえた。


「……なんだよ。」


目を片目だけ開けて言えば理由を教えてくれる。


「ううん。なんか、最初の印象と大分違うなって思って。」


もっと警戒心高い人かと思っていた。と言いたいのだろう。


「別に。茜は何もしてこないだろ。」

「まぁ…うん。暴力は苦手だし、寝てるところを襲ったりとかは流石に勇気がないよ。」


兄がイケメンだからか、よく愚痴でも聞くのだろうことが容易に想像出来た。


あ、そう言えば。


起き上がり鞄を漁る。

いきなり起き上がった俺に驚いてる茜に朝持って来たお茶をハンカチで包んで渡す。


「目、擦っただろ。少し腫れてるぞ。それで冷やしておくといい。」

「…あ。…ありがと。」


鞄を漁った時に気付いたが、何故かレジャーシートが入っていた。

多分大和あたりが昨日のうちに入れておいたんだろう。


…なんで気付かなかったのか。


ふたり目ぐらいは余裕で寝転べるぐらいの大きさだ。

男四人と弁当を置くにはちょうどいい。

それを敷いてからまた寝転ぶ。


「…どうしたの、それ。」

「大和が勝手に入れたみたいだな。枕代わりに俺の鞄使っていいから寝転んでもいいぞ。」


教科書やノートを出してレジャーシートの端に置く。

俺が寝転んでいるから飛ばされることはないが邪魔になるのはごめんだからな。


それにしても最近は天気がいいからいいな。梅雨時期なのか疑わしいぐらいだ。


「じゃあ、遠慮無く!」

「ん。」


ボスンと膨らんでいた鞄が潰れ茜が真横に来る。

目にペットボトル置いているから目は見えないが。


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