足跡に惹かれて
君の足跡
朝の5時半。

まだお日様も顔も出さないこの時間に、家を出る。

雪国の田舎町。

二時間に一本の電車を乗り過ごすと、朝練には間に合わない。

まだ誰も起きていない家の中に、

「行ってきまーす。」

誰も起きないくらいに小さな声で言った。

そういえば、今日初めて声出したかも...

そんなことを考えながら玄関を開けると、

「わ、雪...」

初雪が積もっていた。

初雪に胸を踊らせるよりも、めんどくさいというほうが率直な感想。

履いていたローファーをブーツに履き替え、家を出発した。
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