Mr.ハードボイルド
Mr.ハードボイルド
俺の名はトミー。
しがない、なんでも屋さ。
店の用心棒から園児の送迎、はたまた要人の護衛まで、依頼されたものはなんでもこなす、なんでも屋だ。
それにしても、男の朝飯はバターをたっぷり塗ったトーストと、粗挽きにしたモカの豆から入れたコーヒー、それに、かたゆでたまご(ハードボイルド)にかぎるぜ。
間違っても俺は、白米にみそ汁、それに納豆などという朝飯は食わない。
おっと、俺の相棒のニーナが来やがったぜ。
相変わらずイイ女だ。
「おはよう、トミー」
甘い香りを漂わせながらニーナは俺のオフィスに現れた。
「おうニーナ、今日も相変わらずイイ女だな」
とりあえず、いつもの軽口で挨拶を返してやった。
「ところで、トミー、アンタその顔のアザどうしたの?」
「ああ、これか」
俺は左の頬をさすりながら彼女に答えてやった。
「店と、ちょっと揉めてな」
「揉めたって、なにがあったの?」
「いや、ただ、ミチルちゃんが寂しいっていうからさ、ちょいっと遊んでやったら、店にバレただけだ」
「はぁ?アンタ、店の女の子にチョッカイだしたの?」
ニーナはスゴい形相で俺を睨みつけた。
「それで殴られたって……仕事、クビになったっての?」
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