Mr.ハードボイルド
そんな話をしながら、ユックリとオフィスで好物のモカを堪能していると、珍しい来客があった。
「トミーちゃん、ニーナちゃん、おはよう」
『BAR マダムローズ』のローズママと祐希ちゃんだった。
朝っぱらから、ローズママのダミ声を聞きながら、マッチョな二の腕を見るのは少々キツいな。
「どうした、ローズママに祐希ちゃん」
俺の声に祐希がニコリと笑いながら言った。
「明日のクリスマスの晩に『BAR マダムローズ』でパーティーするの。だからおふたりを招待しようと思って」
ありゃ、明日の晩かい。
俺はチラリとニーナの顔色を伺った。
彼女は眉毛を上げて、仕方ないわね、って感じの表情をした。
「あぁ、わかったよ。ニーナと一緒に参加させてもらうよ」
俺の言葉にローズママはニヤリとして言った。
「なら、参加費集めるわよ。私達女性は3000円、トミーちゃんは男だから20000円ね」
あぁ?諭吉さんが2枚だと?
ってか、アンタらニーナ以外全員男じゃねえか!
そんなバカなやりとりをしているところへ、またしても珍しく来客があった。
「どうも、富井さん、新名さん」
ペコリとお辞儀したのは山内豆腐店のご主人だった。