摩訶不思議目録2
水彩少女
人は、他人に流されたりする。
流され流された人々は、同じような流された人と助け合う。
そして一つの固まりをつくる。
一つの固まりは、流れに逆らうものを消す。
だって、まとまっていた色に、異彩が入るとその異彩が目立ってしまうし、なにより色として使えない。
皆同じだとみんな平和なのだ。

では、私はどうだろうか。

他人の意見に流されることができるし、自分の色を使い分けることができる。

私は水だ。面白みもない。つまらない水。

「私は透明水彩。」
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