【企&短】失恋サンタクロース
「らーいーむー!」
明らかに私を無視してくるから、側に近寄り顔を覗き込む。
それでも私を無視し続ける。
「ねぇー?」
一応ここは男子である来夢の意見が聞きたいところなんですが…
「…っ…だよ」
「ん?」
「だーかーらー!月風はなんでも似合うよ!!」
「…あ、うん、どうも」
そんな顔真っ赤にして言われても、反応に困るんですが!
コツン──
すると突然来夢が読んでいた雑誌で頭を叩かれた。
「照れるなよ」
そんなこと言われても、〝照れるなよ〟とか言ってる来夢こそ顔赤いよ?
まぁ、こんなこと言ったら怒られそうだから言わないけれど…
てかてか、そんなことよりも。
「服決めなくちゃ」
私は来夢の側から離れクローゼットから大量の服を取り出し、鏡の前で合わせる。
なんでも似合うとか言われても、好きな人に会うんだからお洒落して、少しでも可愛いって思われたい。
それに、昴くんと会うのはすんごく久しぶりなのだ。
「ったく、女ってめんどくさい」