【企&短】失恋サンタクロース
「来夢煩いからどっか行って」
これじゃあお菓子作りに集中できっこない。
けど返ってきた言葉は、〝やだ〟の一言。
しかも即答。
「俺も作る」
おまけにそんなことまで言い出した。
「えっ?」
「この粉使うの?あとは?あ、手洗わないと」
そして何故かノリノリの来夢。
基本面倒臭いことを嫌う来夢が、自ら進んでやると言ってるのは珍しい。
もしかして…
「なにしてんの?」
来夢のおでこに手を当てて熱を測る。
こんな来夢は気味が悪い。
きっと熱でもあるのかと思ったが…
「熱、ない…」
「当たり前でしょ。それより早く作ろうよ」
「分かったよ。ただし、私の邪魔はしないでよね?」
邪魔でもされて失敗なんてしたくないんだから。
「はーーい」
こうして私達はクッキー作りに取り掛かった。