二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜
「ねえ、君はキスをした事はあるかい?」
君は僕にそう聞いてきた。
オレンジ色に染まった教室で。
「な、何だよ。急に・・・。」
動揺してしまった。
だってそうじゃないか。
大好きなアーティストの話をしていた時に、急に言うのだから。
「私は無いよ。」
「そ、そうなんだ・・・。」
僕も君も黙ってしまった。
でも、何だろう、
すごく恥ずかしいけど、
心地好い沈黙・・・。
ダメだ・・・。
君の顔がまともに見えないじゃないか・・・。
「してみないかい?」
君はそう言った。
確かに言った。
「えっ!?」
僕の目の前に、君の顔があった。