二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜



「なんでキスをしようと思ったの。」


僕は君に聞いた。


好きな本の話の途中に僕は聞いた。


ささやかな僕の、
昨日の仕返しの積もりだった。



放課後の教室に、いつもと変わらず残っていた
僕達。


何事も無かったように、
いつもの会話が始まった。

その隙を見計らって聞いてみた。


君がなんて言うのか、
興味もあったから。



「してみたかったからだよ。」


君はそう言って、窓の外を見た。


「僕で良かったの?」


こんな事を言ってしまうとは思わなかった。


なぜ、こんな事が言えたのか、
自分でも不思議だった。


「意地悪な事を、言うんだね、君は。」


少し不機嫌そうに答えた君の横顔に、
僕はすごく
ドキドキした。


昨日のキスの時と同じ様に。



僕は立ち上がって、君のそばに近付いた。



そして君を、
背中から抱きしめた。


< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop