二人の秘密。〜短編・学園LOVEstory①〜
細くて
少し肩が震えている。
手を伸ばして、君の手を握り、
腕で君をギュッと抱きしめる。
君の髪が、僕の顔にあたる。
綺麗な匂いが、僕の鼻孔をくすぐる。
「・・・。どうしたの?」
小さな声で君は言った。
「昨日の、お返しだよ・・・。」
あまりの気恥ずかしさに、赤面している事を
君に気付かれないように、
窓は見ない。
僕も君も、黙ったまま動かない。
心地好い時間。
予想だにしなかった展開。
このまま時間が止まれば、良いのに。
二人だけの教室。
誰にも邪魔されたくない時間。
君も同じ気持ちなのだろうか。
また、チャイムが鳴ってしまった。
「・・・。帰ろうか。」
君は僕に言った。