すきだから
それはひょんなことから
「なぁ、香苗。・・・もうさ、別れよっか?」
・・・そう言われると思っていた。
覚悟していたとはいえ、やはりそれをストレートに言われてしまうと、自然と手が小刻みに震えた。
動揺を隠すように、あくまで冷静に。
そう心の中では思っているのに、身体は自分の意に反してふるふると震えてしまう。
震える腕を抱えるようにして、私、相川香苗(あいかわかなえ)は俯いた。
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