ある日ある時ある場所で
けたましく鳴る機械音、慌ただしく動いてる医者の人達…そして横たわり血の気のない母…お腹はメスで切り開かれていた。


側に行ってみる…と同時に医者が一人めの子を取りあげた、男の子、つまりあれは僕…
そしてすぐに二人めの子も出てきたが、医者の様子がとたんに変わった、心臓が動いていないようだった…
すぐに救命措置が行われた、それを見ている内に僕は泣いていて、


「頑張れ…頑張れ!」

思わず口から出てしまった、助からない事を知っているのに…

とそこで母の心臓の音を知らせてくれていた機械が突然ピーーッとかんだかい音を上げた。
見ると母は大量の血を床に流していた…性器から大量に出血していたのだ…
すぐに止血輸血と措置が的確に行われて行ったが、母は大量出血亡くなった。

それを追いかけるように愛梨も死亡が確認された…

廊下で待っていた父は母と愛梨の死を聞き泣いていたが、僕を見て僕の手を握って、それ以上に泣いていた…

医者から母の死因は大量出血によるものだと説明を受けたが、僕が今一番知りたいのは愛梨の死因、医者の口からは信じられない言葉が飛び出してきた…


「愛梨ちゃんの死因はお腹の中で充分な栄養が行き届いていなかった為による物と思われます!健一くんに栄養が偏ったのでしょうね…」


僕は頭が真っ白になった、あの女の子の、いや愛梨の言っていた「私はあなたに殺されました」の意味がようやくわかった…


「ほんとに…僕が…殺してたんだな…」


また、あの眠気に襲われた…目の前の光景を目に焼き付けながら、僕は意識を失った…



そして目を覚ますと最初の真っ白で何もない空間に帰ってきてた…


僕は泣いていた、そして視線を前にやると
愛梨が無表情で立っていた。
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