意地悪なキミと恋をします。
『両思い』始めます
休日のお昼すぎ、私はなんと!ついに!
「ちょっと暑いねー。お水でよければ飲む?」
「い、いえ!そんな!もったいないでございます!」
そう?と言いながら笑いながら差し出したペットボトルの蓋を取ると、ゴクッと喉を鳴らして飲む。
優希先輩と間接キスなんて、恐れ多すぎるよ〜!
ちょっと後悔だけどさ!!
「そ、それより優希先輩、こんな暑い日にすいません、私の買い物付き合ってもらっちゃて」
なんと!!今日は優希先輩と近くのショッピングモールまでお買い物。
電話で、ここにあるかわいい雑貨屋さんの新商品の話をしてたら、ぜひ付いてきてくれるということで…
なんなら私が押された形で、来ることになった。
ぐへへへへ。
これデートってやつだよね!だよね!
もう勝手に自意識過剰入っちゃうからね!
「いや、俺から誘ったんだよ!莉奈ちゃんとデートしたかったし?」
「デ!…デート…?」
やっぱり!?うそ!
優希先輩もそう思ってくれてたんだ!
「うん、デート!だから莉奈ちゃん、そんな可愛い服着てきてくれたんでしょ?」
「かわっ……そ、そんな、そんなことないです…」
可愛いなんて知ってるけど、あんまりサラッと言うもんだから、不意打ちすぎて思わず赤面。
顔、あつ…。
「あ、もちろん服より莉奈ちゃんの方が可愛いけどね」
「うぅ…」
照れすぎて、言葉が出ない私を見て、優希先輩が笑い出す。
「もう!なにがおかしいんですか!優希先輩のせいなんですから!」
こんなに笑う先輩は初めて見て、でもそれが嬉しいと思うより恥ずかしいのが勝っちゃって、口を尖らせてつい言ってしまった。
「あははは!あー、莉奈ちゃんってほんと最高だよね。見てて全然飽きない。」
そんなに面白いことしたつもりはないんですけどね。
「だってさ、見た目的に自分のこと可愛く見られてることくらいわかってそうなのに、すっごい赤くなってるし」
「そ、それは先輩が、不意打ちで言うからです!…ってゆーか、私ってそんなに自意識過剰そうに見えます!?」
「うん、見える!」
「ひどい先輩!」
「あー、でも、可愛いってゆーのは本当」
またカァーっと上がる体温。
「せ、先輩!着きましたよ!」