意地悪なキミと恋をします。
結局私たちの関係は綺麗に元通り。
海斗に関しての謎はまだたくさんあるけど、仲良くなる中で知っていけばいっか…。
お昼前、優希先輩にはあらかじめ今日は一緒に食べられないことを説明していた。
朝からのお昼だから、放課後少し気まずい気もするけど…。
「降ってきたねー」
自習の時間、私の前の席に来ていた愛莉が空を見て言った。
「うっそ、傘持ってきてないし!」
「心配しなくても、島田先輩なら持ってきてんじゃない?なんかマメそうだし」
それもそうだ。おっしゃる通り。
でもそしたら…相合傘ってやつ?
そんな!おこがましい!!
「あたしは折りたたみ常備だから」
愛莉は席まで持ってきていたカバンの中から水玉模様の折りたたみ傘を自慢げに取り出す。
なんと、女子力のお高い!!
「それよりあんた、那月と仲直りしたんだ?」
なんと、観察力のお鋭い!!
「御察しの通りでございます!」
「よかったじゃん」
「よくないよ!あのね…
いや、この続きは夜電話するよ」
「その方が賢明ね」
周りを見渡すと、女の子たちがこちらを意識しているのが一目でわかる。
ほんと女子って恐ろしい…。
なんやかんや喋っていると学校は終わり、先輩と待ち合わせてある靴箱に向かった。