意地悪なキミと恋をします。
巻き起こる波乱
そんな私と先輩の歯車が狂い出したのは、たぶんこの日だったんだろう。
あの日雨が降らなければ。
あの日、海斗に話しかけなければ…
これから先の未来は変わっていたのかな、なんて、少し先の私は思う事になるんだけど、その話はまた後で…。
きっかけは、次の日の朝、突然やってきた。
普通に先輩と登校すると、なぜか感じる鋭い目線。
私を見ると途端に友達と何か話し始める。
これは…
人生初のイジメ!?
「おはよー!」
教室に入るといつもの一発。
だけどこの日は、誰も私に挨拶を返してくれなくて。
「…莉奈!」
なんとも険しい顔をした愛莉が、これまた珍しく大声で私を呼んだ。
「ど、どうしたの愛莉……」
「ちょっと、行くよ!」
もうすぐ授業なんだけど、まぁいっか!
私は愛莉に腕を引かれて、屋上前の踊り場にきた。
「莉奈…あんた一体なにしたの!?」
「いっ、やー…。なにもしてないはず、なんだけど」
「気付いてるでしょ?あんたを見る周りの目。あたしも今日来てヒソヒソ話す子が多いから気になってたんだけど…
聞こえた話的に、あんたが二股だとか、男たらしだとか、とりあえずよくない話がまわってる」
えぇぇ!!
二股!?男たらし!?
「どうせ、島田先輩とかそういうので恨み買ってるだけでしょうけど、それでも理由があるんじゃない?」
「……今のところわかんない」
私がうーんと考えると、愛莉もうーんと唸って、
「とりあえず、なにがあっても、あんたが例え悪い事してても、その時は怒るけどそれでもあたしはあんたの味方だから」
初めて聞いた愛莉の言葉に、ウルっときながら、これからこのイジメのような雰囲気に立ち向かう心構えをした。
「……ねぇ、あの子…」
そんな声が一日中どこにいても聞こえる。
私がなにしたってゆーのよ!
「まぁいいんじゃない?言いたい奴には言わせとけば」
愛莉はいつも以上に私といてくれて、大丈夫って言ってもトイレにまでついてきてくれる。
あるある的にはトイレが一番危ないらしい。
「ってゆーか、なんで今日に限って那月くんは遅刻なの?」
私のトイレ中、愛莉が待っていてくれる。
「わかんないよそんなこと…。ってゆーか…
「皐月さんいる?」
「なによあんたたち」